リタイアトライアル日記

1ヶ月、ほぼリタイア状態で暮らしたらどうなるか?のお試し日記

久々に観て発見したこと

BRの映画を改めて観て、発見したことがある。

作品は「シェルブールの雨傘

1964年の第17回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した作品。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/シェルブールの雨傘

https://movies.yahoo.co.jp/movie/9588/

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今ではミュージカルやその映画作品でよくあるが、

台詞📖が全て音楽🎵に乗っている作品。

初めて劇場で観たときは違和感があったが、

次第にストーリーや画面に引き込まれていき、

気にならなくなった✌️

ミッシェル・ルブランの物悲しい旋律は有名。

https://youtu.be/17A0fN8NJi0

https://youtu.be/Br17Cb1_3oU

 

そして僕がこの作品で一番好きな場面がこちら。

ラストシーン。

元恋人同士だった2人がそれぞれ別の相手と結婚し、

何年後かに彼の経営するガソリンスタンドに、

彼女が給油で立ち寄る。

給油中に事務所で2人が会話するが、

最後に交わす言葉が字幕だとこうなると。

彼女「あなた、今、幸せ?」

彼「ああ、とても」

https://youtu.be/kbjZLXFkclM

 

そして彼女は事務所を出て、車に乗って去る。

次の動画はストーリー全体をまとめたものだが、

その3分35秒くらいからラストシーンになる。

https://youtu.be/Br17Cb1_3oU

 

ちなみに、このシーンの背景は、

◇彼女はお金持ち(確か若い宝石商)の旦那と別れた

◇旦那の実家に預けられていた娘を引き取りに行った帰り

◇実の母は昨年亡くなった

シェルブールには結婚以来、初めて立ち寄った

◇回り道して、このガソリンスタンドに寄った

 

そして

◇車に乗っている娘は、別れた彼の子供

    そのことを彼は知らない❗️

◇彼は事務所でも素っ気ない態度

    彼女から話しかけることが多く、娘に会ってみる?と投げかけても、彼は断る

 

そんなラストシーンで交わす会話である。

く〜〜!泣ける‼️

 

ここまでは、以前観たときまでに理解していたこと。

ここからが、今回観て気づいたこと。

 

①実は「今、幸せ?」という台詞が別のシーンでもあった❗️

・ラストシーンの前、彼が別の女性と結婚を決めるとき、相手の女性も!彼に聞く。

    「(私と結婚することになって)今、あなたは幸せなの?」

・僕は原語は分からないから字幕でしか判断出来ないけど、少なくとも字幕では同じ台詞だった。

    意味深〜〜‼️

    間違いなく、次のシーンでの同じ台詞を意識してると思う。

・ちなみに、同じ台詞を二人の女性から言われた彼の反応は、

    彼女には素っ気なく「(君がいなくても)幸せだよ」と答え、

    結婚した女性には「(君と結婚できて)幸せだよ」と答えている。

    同じ言葉でも、中身が随分違う。

    憎い脚本。

 

②視点は神か⁉️

・この作品、彼女と彼の悲恋物語だと思うのだが、最後の終わり方からは突き放した印象を受ける。

・若い二人が恋に落ちて、彼は徴兵に取られ、彼女は身籠もる。

    一方、彼女の母の傘屋は行き詰まり、お金持ちの別の男性との結婚を娘に進め、娘も彼からの手紙が途絶え、相手の男性がお腹の子も含めて面倒を見てくれると言うので、母の強い勧めを断れずに結婚してしまう。

    彼は徴兵から帰ってきたが、彼女は他の男性と結婚していた。失意の中で新た生活をしていた彼を、彼の叔母の面倒を見ていた女性が支えになって再起する。そしてその女性と彼は結婚し、ガソリンスタンドを始める。

・ラストシーンまでのストーリーをまとめると以上のようになるが、そこから何を作者は伝えたかったのか⁉️

   彼女の立場にも、彼の立場にも、立っていない、二人に起きたことを淡々と描く終わり方は、まるで二人を天から見ている神の視点のよう。ある意味、冷酷。

・僕はラストシーンに、二人の運命に、さらにはこれからの彼女の人生に、想いを巡らせたが、神はただ二人の人生を時の流れに乗せていく。

    この神の存在も意識すると、作品にもう一味加わる。観直して良かった❗️